土地家屋調査士の合格率|10年間推移とおすすめ予備校の合格率を紹介

土地家屋調査士

土地家屋調査士は「土地や建物といった不動産の測量と表示に関する登記の専門家」です。
さらに独占業務があるため土地家屋調査士は稼げる国家資格と言われています。

また土地家屋調査士試験の難易度は高く、土地家屋調査士試験の合格率は8〜10%台です。

本コラムでは、直近10年間の合格率の推移他資格との比較おすすめ予備校が公表している合格率とその内容の解説など、はじめて土地家屋調査士試験にむけて学習を開始する方が知っておくべき情報が満載です。

合格率の理解は勿論のこと、ぜひ予備校選びの参考にしてください。

そもそも土地家屋調査士試験とは?

合格率を解説する前に、そもそも土地家屋調査士試験とは、どんな試験で、どれくらいの難易度なのでしょうか?

試験概要&受験資格

土地家屋調査士試験には、「筆記試験」と「口述試験」があり、筆記試験を通過した方だけが口述試験を受験できます。

また土地家屋調査士試験の筆記試験を受験するのに、受験資格はなく、どなたでも受験することが可能です。さらに筆記試験の午前の部は「測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士の資格持っている」と免除になるので、4つの資格の中で一番取り易い測量士補の資格を取る受験生が多いです。

<筆記試験>
■午前の部(試験時間:2時間)
平面測量10問/作図1問

■午後の部(試験時間:2時間30分)
[択一式]民法3問/不動産登記法16問/土地家屋調査士法1問
[記述式]土地・建物から各1問

<口述試験>
1人15分程度の面接方式による試験

土地家屋調査士試験の難易度と勉強時間

土地家屋調査士試験は毎年400人前後しか合格者がでない難易度の高い国家試験になります。また市販の教材も少ないことから、一度も予備校の講座を使わずに合格するのは至難の技といえるでしょう。

また合格するためには、1発合格だとしても1000時間の勉強時間(1年〜1年半)は必要といわれております。月刊誌「不動産法律セミナー」による合格者アンケート結果では、合格するまでに受験した回数は1回〜4回で計70%ということからも如何に難易度の高い試験かお分かり頂けたかと思います。

土地家屋調査士試験の合格率

土地家屋調査士試験は難易度の高い試験ですが、「近年の合格率」や「他資格との合格率の比較」はどうでしょうか?

土地家屋調査士試験の合格率の推移

近年、土地家屋調査士試験の合格率は上昇傾向にあり、令和3年度(2021年度)の合格率は10.47%で、直近10年では一番高い合格率になりました。※直近10年間の土地家屋調査士試験の合格率は8~10%台です。

合格者数は400人前後と一定であることから、受験者数の減少が合格率上昇の原因となります。またこのことから、「土地家屋調査士試験は上位400人が合格できる相対評価の試験」と考えられます。

年度受験者数合格者数合格率
平成24年4,986人418人8.38%
平成25年4,700人412人8.77%
平成26年4,617人407人8.82%
平成27年4,568人403人8.82%
平成28年4,506人402人8.92%
平成29年4,600人400人8.69%
平成30年4,380人418人9.54%
令和元年4,198人406人9.68%
令和2年度3,785人392人10.36%
令和3年3,859人404人10.47%

土地家屋調査士と他資格との合格率の比較

宅建士/マンション管理士/管理業務主任者といった「土地家屋調査士試験と同じ不動産系の国家資格」や司法書士/行政書士といった「土地家屋調査士とダブルライセンスでおすすめされる資格」と土地家屋調査士を比較してみましょう。

また土地家屋調査士試験の難易度の高さを実感していただくために、合格までに必要な勉強時間もあわせて比較します。

司法書士の3〜4%と3000時間に次ぐ合格率の低さと勉強時間の多さになっております。合格率が上昇傾向にあるとはいえ、まだまだ土地家屋調査士試験は他資格と比較しても難しい試験といえます。

土地家屋調査士予備校の合格率

例年400人前後しか合格できない土地家屋調査士試験ですので、予備校の講座を一切使わない独学での合格は難しいとされています。

実際、令和3年の合格者の78.7%が大手予備校である東京法経学院の講座(答練なども含む)を利用しています。また月刊誌「不動産法律セミナー」による合格者アンケートでは、合格者の92%が予備校を利用したと回答しています。

だからこそ重要な「予備校の選択」。その判断の1つとなる合格率について紹介します。

アガルートアカデミーの合格率

アガルートアカデミーはオンライン講座(通信講座)専門の土地家屋調査士試験予備校です。元LECの中山祐介講師がメイン講師としてほとんどの講座を担当しています。

テレビCMだけでなく、選べる合格特典の「全額返金 or お祝い金」も話題となっています。

初学者向け講座
  • 一発合格カリキュラム
  • ダブル合格カリキュラム
学習経験者向け講座
  • 中上級総合カリキュラム
  • 上級パックダブル合格カリキュラム

▼近年の合格率
3年連続で「受講生全体」の合格率が全国平均3.5倍以上という大変高い数字を出しています。
さらにアガルートは「初めて受験する方」の合格率も公開しており、合格まで1〜4回受験すると言われる土地家屋調査士試験では驚異の合格率です。

年度受講生全体
全国平均に対して
受講生全体
合格率
初めて受験する方
合格率
令和3年3.51倍36.8%28.5%
令和2年5.47倍56.7%50.0%
令和1年3.52倍34.1%公開なし
※合格率の算出方法
アガルートアカデミー有料講座受講生の合否アンケート集計結果から算出(合格者数を受験者数で除して算出)
(参考URL)https://www.agaroot.jp/chousashi/voice/

LECの合格率

LECは、通学講座を選択しても、予習や復習用に通信講座の内容も受講できるという点が特徴です。通信のみの講座もありますし、どちらかと言えば、そちらがおすすめです。

通信講座は木村 真弓講師がメインで担当をしており、とても評判が良いです。土地家屋調査士試験講師では珍しい女性講師になります。Twitterのアカウントもありますので是非、確認してみてください。

初学者向け講座
  • 土地家屋調査士&測量士補W合格コース(全96回)
  • 土地家屋調査士合格コース(全77回)
学習経験者向け講座
  • フルコース[全64回]
  • コンパクトコース[全36回]
  • 書式強化コース[全41回]
  • ベースアップコース[全90回]

▼近年の合格率
近年の合格率はアガルートアカデミーには僅かに劣るものの、高い数字を出しております。しかし合格率の算出方法が令和2年度と3年度で異なるので注意が必要です。令和2年度は明らかに合格率が高くなるような条件にしています。

年度合格率合格率の算出方法
令和3年35.0%土地家屋調査士コースに含まれる「直前ファイナル答練(全8回)」
の答案をすべて提出された方を集計したも
令和2年50.0%土地家屋調査士コースに含まれる「直前ファイナル答練(全8回)」
を全て受験された方のうち、平均点65点以上の方を集計したもの
(参考URL)https://www.lec-jp.com/chousashi/reason/

東京法経学院の合格率

東京法経学院は、老舗かつ最大手の土地家屋調査士予備校になります。そのため、講座数も非常に多く、特に答練の豊富さは他の予備校の追随を許しません。

初学者向け講座
  • 土地家屋調査士 新・最短合格講座
  • 土地家屋調査士 本科+合格直結答練
  • 土地家屋調査士+測量士補 超短期合格講座
学習経験者向け講座
  • 土地家屋調査士 合格講座パックプラン
  • 合格直結答練フルパックなどの答練多数

▼近年の合格率
東京法経学院では合格率は公開しておりません。ですが、『合格占有率=合格者のうち東京法経学院の講座や教材を使った人の割合』を毎年公開しています。

年度合格者占有率占有率の内容
令和3年78.7%合格者404名中318名を輩出
令和2年65.3%合格者392名中256名を輩出
(参考URL)https://www.thg.co.jp/tyosa/zisseki.htm

また輩出している合格者の内訳も公開しており、「通常講座(短期講座、教材利用のみを除く)」を利用した合格者数は、以下のようになります。

年度通常講座の合格者占有率通常講座で合格した人数
令和3年45.3%183名
令和2年33.7%132名
令和元年47.0%191名
(参考URL)https://www.thg.co.jp/tyosa/zisseki.htm

日建学院の合格率と早稲田法科専門学院の合格率

日建学院と早稲田法科専門学院のHPには、合格率に関する情報はありませんでした。

日建学院は、実名と顔出し3名の合格者のアンケート結果を公開しています。

土地家屋調査士試験に短期で合格するためには予備校の通信講座がおすすめ

受験者が減って合格率が上昇傾向といっても上位400人に入らなければならない土地家屋調査士試験の合格は簡単ではありません。

自分にあった予備校の通信講座を受講して、是非、短期の合格を目指してください。